ねぇどんくん。理系男子って人の意見を素直に聞けない人多くない?
ん~俺の周りにはあまりいないけど、一般的な理系男子のイメージはそうかもしれないね。すぐ論破したがる人みたいな(笑)
そうなの。もっと素直になった方が可愛いし、モテると思うのにな~。もったいない!
たしかにね。でもね、人の考えというのは、自分の過去の経験によって構築されているんだ。だから、理系男子のような、感覚でなく理屈で行動しているようなタイプは、自分の行動は合理的で、自分が一番よくわかっているという自負がある。だから、人の話を聞き入れるのが苦手な人が多いのかもね。この過去の経験や知識をもとに自分の意思決定をすることをアンカリング効果というよ。今回は、このアンカリング効果を理解することで、人の話を素直に聞き入れて、他人に愛される人になるコツを紹介していくね!
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アンカリング効果とは
あなたが、人生の中で一番信頼を置いているアドバイザーはだれでしょうか?疑問や不安があるとき誰に頼りますか?
実は、私たちが一番信頼しているのは自分自身なのです。
みなさんは、なにかを決断するとき、その決断とはまったく無関係なはずの自分自身の経験や知識に影響されて、結論を引き出しています。これをアンカリング効果といいます。
このアンカリングのアンカとは、船を泊めるときの錨(いかり)のことを指します。
最初にインプットされた情報が錨(アンカ)となって心の働きをコントロールすることで、無関係な情報でも、その後の意思決定に大きな影響を与えるのです。
プロでも惑わされるアンカリングの威力
1987年にアリゾナ大学のグレゴリー・ノースクラフトとマーガレット・ニールの二人の教授によって次のような実験が行われました。
二人の教授は、ある住宅の価格を評価してもらうためにトゥーソンという地域で信頼と実績のある複数の不動産業者を募りました。全員がトゥーソンの不動産を専門とし、市場や不動産価格についてだれよりも詳しいプロ集団でした。教授たちは、彼らにその住宅の査定ため、近隣の類似物件の販売価格と不動産情報システムの情報、その他の参考情報を提供しました。
彼らにはすべて共通の情報を与えましたが、『不動産情報システムに登録した売却希望価格』だけが変えられていました。119,900ドルと伝えられた業者もいれば、149,900ドルと教えられた業者もいました。売却希望価格は、査定する住宅に関して彼らが初めて得た情報でした。
つづいて教授たちは、不動産業者にその住宅の適正な購入価格を聞き取りました。その結果、売却希望価格が119,900ドルという情報を与えられた業者は、住宅の価格を平均で111,454ドルと推定しました。また、149,900ドルという情報を最初に与えられた業者は、平均で127,318ドルと推定しました。
つまり、彼らが最初に得た情報である売却希望価格が高ければ高いほど、推定価格も高くなったのです。売却価格が30,000ドル高いと推定価格は約16,000ドルも高くなりました。
ちなみに一般人に対しても同様の実験を行った場合は、売却希望価格が30,000ドル高いと推定価格は31,000ドル高くなりました。専門家は、最初に見た金額の影響を受けてはいますが、影響度合いは一般人の半分という結果でした。
さらに面白いことに、不動産業者の81%が推定価格を算出する際に、売却希望価格をまったく参考にしていないと答えたのです。また一般人は63%の方が、参考にしなかったと回答しました。
つまり被験者の全員が不動産価格を評価するのに売却希望価格に影響を受けていたにも関わらず、ほとんどの人がそのことを自覚していなかったということです。
いかがでしょうか?
このようなプロ集団ですらも最初に与えられた情報によって、その後の意思決定に影響を与える結果となりました。しかも、影響を受けたという自覚なしに・・・これがアンカリング効果の恐ろしいところです。
みなさんも、「物事の良し悪しを判断するときに、無意識のうちに全く関係ない過去の経験をもとに非合理的な判断してしまっているかもしれない」ということを理解しておくといいかもしれません。
時には自分を疑ってみる
アンカリング効果は、みなさんが自分自身をもっとも信頼していることを示しています。
最初に自分の中に受け入れた情報は、いつの間にか自分の基準(アンカ)となり、その基準をもとに意思決定をするためです。そして、その意思決定は合理的で正しいものだと決めつけてしまうのです。
アンカリング効果はマーケティングにおいても人の購買行動に大きな影響を与えるため様々なところで利用されています。
ここではいくつか例を挙げてみましょう。
・自動車ショップでメーカー希望小売価格が大きくフロントガラスに貼り付けられている。ここから数十万円値引きされて、とても得した気分になる。
・ウィンドウショッピングをしていると店頭に20万円の靴が飾ってある。とても魅力的に感じるが、中に入ってみると5万円のハイヒールを発見する。5万円なんて掘り出し物だとなり、購入する。
・有名アナリストがこの企業の株価は、現在2,000円だが、3,000円の価値があると言っているのを聞き、割安だと判断する。
このように最初に自分に提示された基準というのは、意外と根強く、なかなかその後の意思決定の際に切り離して行動するのは難しいものです。
このアンカリング効果を極力取り除いて、合理的な判断をするには、一見正しいと思える感覚を疑ってかかることが大切です。もし、あなたの行動を指摘してくれる人がいたら、それは間違ったアンカを取り除くチャンスかもしれないと考えましょう。
今まで当たり前だと思っていたことに疑問を持ってみることが、素直に人の意見を聞き入れるための最初のステップかもしれません。
いつも通勤で使っているルートや、朝はご飯にお味噌汁といった固まった習慣も、ちょっと変えてみることで新たな視点が生まれるかもしれません。
自分が絶対に正しいと思っているうちは、人に愛されるキャラクターになるのは難しいです。
少しづつ変化に慣れていく練習をしてみましょう!
アンカリング効果か~。理系男子に限らずだれにでも言えることかも。私も自信のあることだと自分が絶対正しいと思っちゃって素直に聞き入れられないことあるし!
そうなんだよね。
自信も大事だけど、素直さも大事。なかなかこのバランスが難しいけど、人の意見をいったん聞き入れてみて、それでもやっぱり違うなって思ったら聞き流すくらいがいいかもね♪
人に愛される人間になるって奥が深いな~。でもちょっとずつ変わろうとする努力が人を好転させていくのかもね♡
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